約40年ぶりの改正。2019年7月1日よりスタートの改正相続法のポイント

昨年2018年7月6日に約40年ぶりとなる大きな改正が行われた改正相続法が成立し、2019年7月1日からスタートする。

30〜40代の人がこれから直面する人生の中で避けては通れない親との死別=相続とういう問題。ファイナンシャルプランナーの資格をかじっている身としても今回の法改正には注目しており、そのポイントを押さえて紹介したいと思う。

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改正相続法のポイント

相続預貯金を遺産分割前でも出金できる払い戻し制度

従来金融機関は口座名義人の死去を知った時点で、口座を相続財産として扱い、遺産分割の(遺産をどう分けるかを決めること)対象となるため払い戻しができないようになっており、相続人らによる遺産分割協議書を金融機関に提出することにより払い戻しを行なっていた。一部よく誤解されるのが凍結されて出金できないというわけではなく、あくまで相続財産となり手続きに乗っ取った処理を行えばきちんとそのお金は払い戻しされる。ただその手続きの必要書類等が日常生活ではあまり見慣れないもので複雑であったり、遠方に住んでいたり、相続人が多かったりすると時間がかかってしまい、遺族の生活費や葬儀代等が支払えないなどのトラブルも多かった。

今回の法改正ではこのややこしい遺産分割協議前に150万円を上限に払い戻しができる制度である。

被相続人の口座残高3分の1の範囲で相続人は法定相続分を出金できる

遺産分割協議前に150万円を上限と紹介したが、具体的には亡くなられた方の口座残高の3分の1の範囲で払い戻しができるというもの。さらに3分の1の中でも法定相続人の取り分の割合までしか出金はできないようになっている。

つまり

死亡時の預金額×1/3×法定相続割合※

ということである。

出金手続きには遺産分割協議書は不要で本人の印鑑証明書が必要とのことだが、各金融機関によっては独自様式があるかもしれないのでご確認いただきたい。

※法定相続割合とは

民法第900条に以下のように定められている。

配偶者と子どもが相続人

配偶者に2分の1 子どもに2分の1

配偶者と直系尊属が相続人

配偶者に3分の2 直系尊属に3分の1

配偶者と兄弟姉妹が相続人

配偶者に4分の3 兄弟姉妹に4分の1

なお、子どもが2人以上いたり、父母がどちらも存命だった場合や兄弟姉妹が複数いる場合は、均等に割るのが原則となっている(子どもが2人いる場合は1/4など)。

法定相続人でない親族も介護した労力を金銭として請求可能に

また今回の法改正では上記で紹介した法定相続人でない親族、例えば長男の妻が義理の父親の介護していた場合、特別寄与料として請求が可能となる。請求期間は相続開始および相続人を知ったときから6カ月、または相続開始から1年以内とされているが、遠慮もあってなかなか請求する事例は少ないかもしれない。

相続を争族としないために

今回の約40年ぶりとなる相続法改正は一見すると相続人にメリットがありそうな法改正だが、ただでさえ揉めてしまう相続がさらに揉めてしまう懸念もある。終活という言葉が最近流行っているように相続のこともしっかり考え対策を行い、相続を争族としないようにしてもらいたい。本当に困っているときは葬儀費用等が遺産分割協議前に引き出せるので制度は上手に使って、故人を送っていただきたいと思う。